マンションは老朽化すると、建て替える場合があります。
このページでは、マンションの建て替え時に住民が負担する費用について、専門用語を使わず、初心者でも分かるようにやさしく解説していきます。
「建て替える場合、住民が費用を負担するの?」
「負担する費用はいくら?」
「負担する費用はどのように決まるの?」
「その時にお金が払えない人はどうなるの?」
など、さまざまな費用の疑問について分かりやすく解説し、
「実際のところ、建て替えに○○円かかった」といった、実際の事例も12件紹介します。
これを読めばリアルな建て替え費用が分かりますよ。
目次
マンション建て替え費用の基本
この後、実際にかかった費用の実例を12件紹介しますが、
その前に、マンション建て替えの費用について、「超基本」を1からおさらいしておきましょう。
マンションを建て替える場合、各住民が費用を負担するの?
分譲マンションを購入した場合(持ち家)は、各住民が費用を負担します。
賃貸で借りて住んでいる場合は負担しません。
負担する費用はいくらくらい?
1戸あたり1000万円が相場です。
これに加えて、出て戻る「2回の引越し費用」、「約2年間の仮住まい(賃貸)の費用」が300万~400万円ほどかかるので、
合計1400万円程度を負担するのが一般的です。
業界関係者曰く、「ざっくりとした相場観では、1戸あたり500万円くらいの自己負担で、今までと同じ広さの部屋を確保できればかなり幸運」とのこと。
また、「建て替え計画が成立するかは、高齢者も納得の1000万円という額が鍵になる。」(再生コンサルタントの鳩の森コンサルティング・山田尚之)という意見も。
建て替えには住民の一定数以上の賛成が必要ですが、自己負担1000万円を越えるとお金を払えない高齢者などの反対数が多くなり、建て替えができないマンションが増えます。
具体的には何にお金がかかるの?
マンション建て替えの費用内訳はこの5つです。
- 古いマンションの解体費用
- 新しいマンションの建設費用
- 調査・設計・計画策定費用
(コンサルタントなど専門家を雇う費用) - 事務経費
(税金や手続きの費用) - 借入金の利息
これに加えて、以下の2つを各自が負担します。
- 引越し費用(2回分)
- 仮住まい費用(約2年間)
この合計7項目がマンション建て替えにかかる費用です。
費用の高い安いはどのように決まるの?
さて、実は、この7項目の「かかる費用」だけでなく、「収益」として入ってくるお金があります。
「かかる費用」-「収益」=マンション建て替え費用
ということです。
「収益」が多ければ建て替え費用が安くなり、「収益」が少なければ建て替え費用が高くなります。
収益について説明していきます。
まず、マンション建て替えでもっとも一般的なモデルは、建て替えで戸数を増やし、増えた住戸を売却し、その利益で建て替え費用を賄う方法です。
「収益」とは、この新たに生まれた住戸の売却利益のことです。
つまり、できるだけ費用負担を抑えるには…
「今より大きな建物が建つこと」が重要です。売却戸数が多ければ、その分収益が増えるからです。
また、高い値段で売れるには、駅に近いなど好立地であることや、不動産価値の高いエリアであることも重要です。
実際には、6階建てだったマンションを14階建てにしたり、「縦」に伸ばして戸数を増やすマンションがほとんどです。
費用負担0円で建て替えられる場合はないの?
売却戸数が多ければ、売却利益で建替え費用を賄うことが出来るので、0円で建て替えられる場合もあります。
実際に、次の章で紹介する事例では、
- ブリリア多摩ニュータウンの事例
…640戸→1249戸 - 桜上水ガーデンズの事例
…404戸→878戸
といったように、戸数を大幅に増やし、増えた分を売却したことで、費用負担0円の夢の建て替えが実現しています。
これは、敷地に余裕をもってマンションが建てられていたため、建て替えで戸数を増やせました。
(ブリリア多摩ニュータウンは床面積上限の3分の1しか使っていなかった)
しかし、今は敷地に余裕のあるマンションが少なく、0円での建て替えは難しいでしょう。
特に都心部のマンションは敷地ギリギリまで建っていて、建て替えで戸数を増やしにくいです。
どういうマンションだと建て替えの費用負担が少ないの?
ここまでのまとめですが、建て替えの「費用負担が少ない」もしくは、「0円」の可能性が高いのは…、
- 敷地に対して余裕をもって建てられているマンション
(建て替えで今より戸数を多く出来る) - 都心部や駅近の便利な立地のマンション
(増えた住戸が高く売れる) - 戸数が多い大規模マンションや団地
逆に費用負担が多いのは…、
- 敷地ぎりぎりまで建っているマンション
(建て替えで戸数増やせない) - 郊外や駅が遠い不便な立地のマンション
(増えた住戸が高く売れない) - 小規模マンション
という傾向があります。
お金が払えない人はどうなる?
建て替え後に必ずしも戻らなければいけないわけではありません。
費用負担を背負いきれず、住んでいた住戸を売って、近くに中古マンションを購入する人も多いです。
例えば、以下のケースでの建替え後の選択肢は4つです。
※つまり、無償で取得できるのは40㎡
4つの選択肢
- 費用負担できない場合、0円で40㎡の住戸に入居
- 同じ広さに移りたい場合、2000万円払って80㎡に入居
- 今より広くしたい場合、4000万円払って120㎡に入居
- 建て替え前の住戸の権利を売って、他に移る(近くの中古マンション購入など)
建て替え後に戻る場合は2回の引越しと仮住まいが必要なのに対し、売却だと1回の引越しで済むというメリットもあります。
住宅ローンがまだ残っている場合も、2~3年に渡る仮住まいの費用が捻出できないなど、費用面でのハードルは高くなります。
実際に、次の章で紹介する「アトラス千里星が丘の事例」では、住民全員が新マンションに戻っていません。
「ブランシエラ千林大宮の事例」でも、住民の2割しか戻っていません。
国や市からの補助金はないの?
マンション建て替え費用の支援制度には以下のようなものがあります。
- まちづくり融資
マンション建て替え資金をマンション組合に融資する制度。大きさや築年数などに条件有り。 - 高齢者向け返済特例制度
60歳以上を対象に、1000万円まで融資する制度。毎月の返済は利息のみなのが特徴。元金は本人が亡くなった時に住宅・敷地を処分するか、相続人が一括で返済する。
マンション建て替え費用【12事例】
ここでは、「マンション建て替えで住民が負担する費用はいくらか?」を実際の事例で見ていきます。
比較的新しい事例を中心に、12件紹介します。
1.オーベルグランディオ萩中
〈建替え前〉 萩中住宅
〈建替え後〉
- 東京都大田区(駅徒歩5分)
- 築38年で建替え完了
- 368戸→534戸の建替え
費用負担について
このマンションは、「市街地住宅総合設計制度」という制度を利用して、建替え後のマンション戸数を増やしました。
「市街地住宅総合設計制度」とは、敷地内に空き地を設けることで街全体の環境整備になることをアピールすれば、空き地を設けるボーナスとして、新しく建てるマンションの大きさの制限が緩くなる制度のことです。
その増えた住戸の売却収入で、建て替え費用を捻出したため、建て替え費用を軽減できました。
具体的には、旧マンションの住戸の広さは、48㎡ほどでしたが、建替え後に、44㎡に住むなら費用負担0円でした。
今までより広い60㎡に住むなら、費用負担1000万円程度必要でした。
(具体的には、費用負担0円だと今の家の面積×83%の広さになるという条件でした。これは一般的には「まあまあ良い条件」です。)
建替え後に戻った住民は約8割と多かったです。
2.桜上水ガーデンズ
〈建替え前〉 桜上水団地
〈建替え後〉
費用負担について
桜上水ガーデンズの建替えは、上手くいった建替え事例として有名で、なんと費用負担0円で実現しました。
- 世田谷区の駅近で好立地だった
- 敷地に対してゆったり建築されていた
この2つが勝因です。
敷地に対してゆったり建築されていたため、建替え後の戸数を旧マンションの2倍以上に増やせたのです。
戸数が増えると、その増えた分の住戸を売って売却収入を得られます。
加えて好立地だったこともあり、増えた住戸が高く売れて売却収入が高く、建替え費用を賄えました。
そのため、桜上水団地から住み続ける人は1円の負担もなく、真新しい「桜上水ガーデンズ」に移り住むことができました。
しかも、今回のケースでは桜上水団地時代に50㎡~60㎡の住戸に住んでいた人が、70㎡の住戸に移り住むことができています。
しかし、建替えに反対した住民との裁判で工事着工が長引き費用がかさんだため、仮住まい費用は全員自己負担となった。
良い条件だったため、建替え後に戻った住民は約88%に達しています。
→別記事の「マンション建て替え事例 1.桜上水ガーデンズ」で、さらに詳しく紹介しているのでご覧ください。
3.ブランシエラ千林大宮
〈建替え前〉 大宮第一コーポ
〈建替え後〉
- 大阪府大阪市(駅徒歩6分)
- 築49年で建替え完了
- 98戸→82戸の建て替え
費用負担について
建て替えでもっとも一般的なモデルは、建て替えによってマンションの戸数を増やし、増えた分を売却して建て替え費用を捻出する方法です。
しかしこのマンションは、法定容積率(敷地に対しての建物の大きさの上限)が導入された1970年以前に建てられていて、現行の法定容積率をオーバーしてしまっている不適合建築物でした。
つまり、通常は建て替えで戸数を増やすのに対して、このマンションは逆に以前より戸数を減らさなくてはなりませんでした。
当然、増えた戸数の売却利益で建替え費用を賄うモデルは使えず、戻り入居するために必要な自己負担額は1600万円程度になり、新マンションに戻った住民は2割と少なかった。(もともと賃貸と空き家が過半数を占めていた)
4.ブリリア多摩ニュータウン
〈建替え前〉 諏訪二丁目団地
〈建替え後〉
- 東京都多摩市(駅徒歩7分)
- 築42年で建替え完了
- 5階建×23棟(640戸)→14階建×7棟(1249戸)の建て替え
費用負担について
この団地は、建替え前と同じ広さの部屋に費用負担0円で入れました。こんな好条件はレアです。
それは、建替え前の団地が、敷地に対して余裕を持って建てられていたからです。(定められている最大値に対して3分の1の床面積しか使っていなかった)
敷地に余裕があったので、建替えによって戸数を640戸→1249戸と2倍に増やせました。その増えた住戸の売却収益で建替え費用を賄えたので、同じ広さの住戸を無償で取得できました。
これは、駅徒歩7分という便利な立地も有利に働いています。(増えた住戸が高く売れるため)
5.ブランシエラ池田石澄
〈建替え前〉 石澄住宅
〈建替え後〉
- 大阪府池田市(駅からバスで7分)
- 築50年で建替え完了
- 184戸→マンション128戸+一戸建て84戸の建て替え
費用負担について
建て替えによって、3DK 54㎡ に住んでいた住民が同じ面積を新マンションに取得する場合、1060万円の費用負担が、3LDK 64㎡ に住んでいた住民が同じ面積を新マンションに取得する場合、1240万円の費用負担が必要でした。
ただしこのマンションは、建替え費用を捻出するため、敷地の半分をこのエリアで需要の高かった「一戸建て用の土地」として売却しました。
その売却して得られた利益は住民に還元された。その額は、売却利益から旧マンション解体費用を除くと、54㎡の住戸で760万円、64㎡の住戸で910万円になりました。また、これに修繕積立金の返金額として1戸あたり180万円が加算された。
それでも、仮住まい費用が2年半分かかることや、仮住まいのために引っ越してまた戻るのが大変、などを理由に、別の家を購入する人や賃貸物件に移る人が多くなりました。
その結果、建て替え後に戻った住民は184戸のうち、67戸だけだった。(全体の36%)
(ちなみに、建て替えをしなければ、次の大規模修繕で1戸当たり600万円程度の修繕費用が必要と試算していた。)
→別記事の「マンション建て替え事例 3.ブランシエラ池田石澄」で、さらに詳しく紹介しているのでご覧ください。
6.アトラス押上
〈建替え前〉 ビレッタ朝日
〈建替え後〉
- 東京都墨田区(駅徒歩9分)
- 築45年で建替え完了
- 58戸→90戸の建替え
費用負担について
国、都、区の耐震助成で、建物の解体費用はほぼ賄えました。
でも、墨田区の集合住宅条例への対応(このマンションの場合、部屋を一定以上の広さにしなければいけない)などで、建替え参加者の自己負担額は1000万円以上に膨れ、決議後に転出する権利者が増加しました。
建替え後に戻る住民は、約5割の見込みです。
7.アトラス千里星が丘
〈建替え前〉 千里山星8住宅
〈建替え後〉
- 大阪府吹田市(駅徒歩6分)
- 築57年で建替え完了
- 15戸→20戸の建て替え
費用負担について
建替え前の古いマンションの評価額が低く、建替え後のマンションで建替え前と同じ広さの部屋に移るには自己負担1000万程度が必要だった。
(具体的には、自己負担0円だと今の家の面積×70%程度の広さになるという条件だった。)
また、建替え工事中の仮住まいの費用も300~400万円は必要です。
「それなら今住んでいる家を売って現金化し、近隣の中古マンションを購入した方が良い」とマンション所有者7人全員がが考え、敷地を一括売却した。
そのため、建替え後は元の住民は一人もマンションに戻りませんでした。
8.宮益坂ビルディング
〈建替え前〉
〈建替え後〉
- 東京都渋谷区(駅徒歩2分)
- 築66年で建替え完了
- 107戸→182戸の建て替え
費用負担について
このマンションの建て替え費用に関する情報は少ないのですが、
建て替えインタビュー記事に、50年間旧マンションに住んでいた住民が建て替え費用について語っている部分があったので抜粋します。
『2003年の建て替え案は、自己負担なしだったが、リーマンショックで計画が頓挫した。そして、2012年の新しい建替え案では、最初から自己負担300万円の見積もりが出てきた。その額はどんどん上がり、とても払える金額ではなくなった』
この方は近くの県の中古マンションへ転出したそうです。
9.アトラス新宿左門町
〈建替え前〉 左門町ハイツ
手前の事務所部と奥の住居部に分かれている
〈建替え後〉
- 東京都新宿区(駅徒歩4分)
- 築54年で建替え完了
- 28戸→36戸の建て替え
費用負担について
建替えにかかる費用は、大規模修繕費用+耐震改修費用、とほぼ同額だった。
(このマンションは、耐震診断にて耐震強度不足が判明しており、もしも建替えをしなかった場合、大規模修繕と耐震改修が必要だった。)
このように、建替え費用について具体的な数字は出ていないものの、費用負担0円ではなく、住民それぞれの費用負担がそれなりにあったことが分かります。
→別記事の「マンション建て替え事例 6.アトラス新宿左門町」で、さらに詳しく紹介しているのでご覧ください。
10.エアヒルズ藤沢
〈建替え前〉 藤沢住宅
〈建替え後〉
- 神奈川県藤沢市(駅徒歩11分)
- 築53年で建替え完了
- 170戸(7棟)→360戸(3棟)の建て替え
費用負担について
建替え前と同じ広さの住戸に費用負担0円で移ることはできませんでしたが、
58㎡の住戸に住んでいた人は、新マンションの40㎡台の部屋に追加費用0円で移れました(仮住まい費用などは別途)。高齢女性の一人暮らしの方などは、この選択が多かった。(部屋が狭くなってもいいから追加費用0円というパターン)
広い部屋が良い人、今後の相続を考えている人などは、追加費用を払って部屋面積を買い増し、より広い部屋に移りました。
→別記事の「マンション建て替え事例 5.エアヒルズ藤沢」で、さらに詳しく紹介しているのでご覧ください。
11.アトラス新宿河田町ヒルズ
〈建替え前〉 河田町住宅
〈建替え後〉
- 東京都新宿区(駅徒歩2分)
- 築59年で建替え完了
- 34戸→41戸の建て替え
費用負担について
敷地に余裕があったので、当然、「建て替えによって戸数を増やし、増えた分を売却して建て替え費用を捻出する」という方法が取れると住民は考えていました。
でも、マンションに面する道路幅が6m以下だったため、都の条例によって建物の大きさが制限されてしまうことが判明。
そうなると戸数を大幅に増やせず、住民の費用負担は増えてしまいました。
負担額について詳細な数字は出ていないものの、「同じ土地に新築マンションを買うよりは少ないが、今より部屋面積を広くするためには、かなり費用負担が必要だった。」とのこと。
→別記事の「マンション建て替え事例 4.アトラス新宿河田町ヒルズ」で、さらに詳しく紹介しているのでご覧ください。
12.稲毛海岸三丁目団地
稲毛海岸三丁目団地
- 千葉市美浜区(駅徒歩10分)
- 築40年で建替え検討
費用負担について
この団地は、建替え検討したものの、建替えせず、修繕で延命していく方針にシフトしました。
その建替え検討時に提示された条件は、「費用負担0円だと、建替え後の家の広さは今の家より4割小さくなる」(具体的には、費用負担0円だと今の家×60.2%の広さになる)という条件だった。
この条件は、かなり厳しい条件です。
検討の結果、マンションを修繕して「延命」する方針となりました。
ちなみに、過去には「費用負担0円で、今の家より1.5倍の広さになる」という夢のような建替えの申し出もありました。
そこからバブル崩壊やリーマンショックなどを経て、建替えの条件が少しずつ悪くなっていったそうです。
まとめ
建て替え費用の相場
事例を調べた結果、1世帯あたりの負担額の相場感は…、
普通のパターン
住戸取得費用:1000万
仮住まい費用:300~400万
→合計 1400万円程度
ラッキーなパターン
住戸取得費用:500万
仮住まい費用:300~400万
→合計 900万円程度
かなりラッキーなパターン
住戸取得費用:0万
仮住まい費用:300~400万
→合計 400万円程度
という傾向があります。
※住戸取得費用…建替え前と同じ広さの住戸に移る場合の費用
※仮住まい費用…2年~2年半賃貸に住む費用と、2回の引越し費用
費用負担が少ないマンションの特徴
- 敷地に対して余裕をもって建てられているマンション
(建て替えで今より戸数を多く出来る) - 都心部や駅近の便利な立地のマンション
(増えた住戸が高く売れる) - 戸数が多い大規模マンションや団地
費用負担が多いマンションの特徴
- 敷地ぎりぎりまで建っているマンション
(建て替えで戸数増やせない) - 郊外や駅が遠い不便な立地のマンション
(増えた住戸が高く売れない) - 小規模マンション
今回調べた事例では1世帯当たり合計2000万円までかかった例はありませんでした。
逆に言えば、2000万円ほどになると住民合意が得られず、建て替え計画が頓挫しているのでしょう。
つまり、建替えをする場合の住民の費用負担は、ざっくり400万~1400万円です。
また、建替え費用の増減には、管理組合の熱意や交渉力も関係していると感じました。
例えば「桜上水ガーデンズの事例」は、分譲当時高級物件だったためエリート層が多く、建築関係者も30名ほどいたという。
専門家やリーダーシップのある住民が理事を努め、建替え費用負担0円が実現したのかもしれません。
また、「建替えで増えた住戸を売る」という方法で、建替え費用を捻出するパターンが多いです。
その場合、建替えで増えた住戸が高く売れるため「駅近の立地の良いマンションが有利」というのが常識です。
でも、「ブランシエラ池田石澄の事例」のように、「敷地の半分を戸建て用地として売却する」などそのエリアに合ったプランに調整できれば、不便な立地でも費用負担0円に近い建替えが実現しています。
このように、「建替えプランを作る事業者の選定」や、「建替えプランの練り直し」など管理組合の熱意に左右される部分があるように感じます。
実際に「宮益坂ビルディングの事例」は、住戸だけでなく事務所や店舗が混在しており、さらに住戸部分も事務所使用が多く、住民コミュニティや建替え熱意が弱かったことが想像されます。そのためか、一度建替え計画が頓挫したり、結果的に建替え費用がかさんでいます。
また、やはり小規模マンション(50戸以下くらい)はどう頑張っても、建替えで1000万円ほど費用負担が出てしまうようです。
最低でも100戸~の規模でないと、「建替えで増えた住戸を売る」「敷地の一部を売る」などの建替え費用の捻出ができないでしょう。
実際に、費用負担ゼロで建替え前と同じ広さの住戸を取得できた「ブリリア多摩ニュータウンの事例」は1000戸越え、「桜上水ガーデンズの事例」は800戸越えの建替えでした。
建て替え事例リンク
費用だけではなく、建て替えに至った経緯・流れなどの「詳しい事例」が見たい人は、こちらもご覧ください。様々な事例を取り上げています。
「建て替えが必要になる築年数」についてはこちらをご覧ください。
「建替えの話し合いが始まってから、建替えが完了するまでの期間」や、「建替えの工事期間」についてはこちらをご覧ください。
「どこに建て替えを頼めばいいの?」「有名な会社はどこ?」についてはこちらをご覧ください。
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