カラスはゴミをあさる時に、ピンポイントで好物を狙って突きます。

これは、匂いで判別しているのでしょうか?

カラスは「匂いに鈍感」という説もあれば、「匂いに敏感」という説もあり、ゴミを荒らすカラス対策でどうすれば良いか迷っている人も多いでしょう。

実は、カラスの嗅覚を調べる実験、解剖が行われていて、答えはハッキリと証明されています。

その結果をご紹介します。

また、効果のある生ゴミのカラス対策もご紹介します。

目次

カラスに嗅覚はある?


カラスの嗅覚について、いろいろな説がありますが、

ズバリ…、カラスの嗅覚は鈍いです。

その理由は…

  1. カラスの脳の嗅覚をつかさどる部分(嗅神経)が発達していないことが、解剖調査で分かっています。
    (カラスについて様々な研究を行っている宇都宮大学の杉田昭栄教授による)

  2. 具体的には、カラスの脳の「嗅神経」はニワトリの4分の1しかありません。

  3. 実際に、匂いで行動を誘発する実験でも反応はいまひとつでした。

  4. そもそも、カラスを含む鳥類全般的に嗅覚が優れていません

  5. 嗅覚が発達していないので匂いではごみに近づきません

また、カラスの「5大性質」と呼ばれる基本的なものの中にも、「嗅覚が発達していない」という項目があるほどです。



カラスの5大性質

  1. 意外に小心者で警戒心が強い
  2. 鳥の中では脳が発達していて学習能力・記憶能力が高い
  3. 視覚能力が高く、色覚も十分
  4. 雑食でなんでも食べる
  5. 嗅覚は発達していない

このように、カラスは嗅覚が鈍く、匂いをあまり感じないことがはっきりと分かりましたね。

なので、「カラスの嫌いな匂い」もありません。

嫌いな匂いはありませんが、嫌いな食べ物、苦手な食べ物はあります。こちらの関連記事で紹介しているので参考にしてください。




カラスはどうやってゴミからエサを見つける?


では、匂いを感じないのに、どうやって生ゴミ(エサ)が入ったゴミ袋を見分けているのでしょう?

カラスは「視覚」によってエサを探しています。

先ほどのカラスの5大性質にもあるように、「視覚能力が高く、色覚も十分」なので、半透明のゴミ袋の中身の色で食べれるものを見分けています。

赤・オレンジ・茶色などの、肉や果物に見える部分をピンポイントで狙います。

なんと、ロースハムの本物と食品サンプルを見分けられるほど目が良いです。

では、ゴミを荒らすカラスに対してどのような対策をすれば良いでしょう。




効果のあるゴミのカラス対策は?


中身を見えなくする

カラスは嗅覚が鈍いのに対し、視覚は非常に優れているという特徴があります。

カラスは視覚にたよってえさを探しているので、中身が見えないゴミ袋にするのが一番です。

実際に、黒いゴミ袋が主流だった頃は被害が少なかったです。

生ごみを新聞紙でくるんで外から見えなくするだけでも効果があります。

他にも、カラスが絶対にゴミを荒らせない簡単な方法をこちらの関連記事で紹介しているので、参考にしてください。

関連記事:



CDや目玉の脅しは効果なし

よくカラス除けに、CDやマネキン、目玉などを置いているのを見かけますが、ほとんど効果がありません。

カラスは記憶能力が高いので、「昨日まで無かったものがある」と理解し、警戒します。

そのため、2~3日は警戒して近づきません。

ただ、一旦警戒しても、学習能力も高いので、変化の無い同じ対策品を数日間見たカラスは、怖いものではないと学びます。分かれば数日が限界です。

そのため、数日で対策品を入れ替える、もしくは、ごみを出す曜日と時間だけ設置して使ったら収納するなど工夫しなければなりません。



まとめ


カラスの嗅覚は鈍い。

匂いに鈍感な鳥の中でも、さらに嗅覚が鈍い。

そのため、嫌いな匂いも無い。

それに対して視覚はかなり優れているので、嗅覚ではなく視覚にたよってエサとなる生ゴミを見つけている。