インフルエンザには、タミフルなど優秀な薬がありますが…、

 ・病院に行かないともらえない
・病院に早く行きすぎても検査で陽性が出ず処方してもらえない

など、なかなか不便です。

また、タミフルの副作用が問題になったこともあり、心配している人もいるでしょう。

そこで、インフルエンザに効く漢方薬が役立ちます!

漢方薬なら…、

 ・ドラッグストアで買える!
 ・インフルエンザか分からなくても飲んで良い
・副作用が少ない

といったメリットがあります!

漢方薬は、作用が穏やかであまり効かないイメージがありますが、

実は、漢方薬はインフルエンザに素早く効きます。

なんと、ひと晩で解熱して回復することも可能です。

ここでは…、

 ・漢方薬はインフルエンザに効く?
・どの漢方薬がインフルエンザに効く?
・どれくらいの期間で治る?

などを新聞記事や、医学文献などを引用しつつ、徹底的に解説します。

目次

漢方はインフルエンザに効く?

そもそも漢方薬とは?

そもそも漢方とは何なのか、基本を確認していきます。

普段病院で処方される西洋薬は、人工的に合成された化学物質です。

一方で、漢方薬は植物の根や実や種子を乾燥させた「生薬」を組み合わせて作られます。

漢方薬はこのようにいくつかの「生薬」を組み合わせて作られています。

インフルエンザに効く漢方 生薬

4000年という長い年月をかけて、効果は最大限に出るように、毒性や不都合な作用は最小限に抑えるような絶妙な割合で生薬が配合されています。

漢方のインフルエンザへの効果

漢方薬は、先ほど説明したように5~20種類 ほどの生薬の組み合わせで作られています。

さらに個々の生薬にもさまざまな成分が含まれているので、複合的な効果があります。

例えば、インフルエンザに使う漢方薬は…

  1. 咳を止める
  2. 痛みを鎮める
  3. 発汗を促し熱を下げる
  4. 免疫力(インフルエンザウィルスをはねのける力)を高める
  5. インフルエンザウイルスによって生じた肺の炎症を鎮める

などの効果があり、インフルエンザに効きます。

複合的な効果があるので、インフルエンザで10個の症状があっても、1種類の漢方薬で十分に対応できます。

新聞に掲載されていた以下の内容を見ると、特に「免疫力を高める作用」が漢方特有のインフルエンザへの効果です。

西洋薬と漢方薬の治療法には根本的な違いがあります。西洋薬による治療は、病気の原因を究明し、その原因を取り去ることを主眼とします。例えば発熱している原因がインフルエンザによる感染だとしたら、インフルエンザの増殖を抑える治療をします。
一方、漢方薬による治療は、生体のバランスを整え自然治癒力を高めることで、病態を治癒に導きます。つまり、発熱の原因がインフルエンザによる感染だとしても、インフルエンザをたたく治療をするのではなく、生体の防御力を最大限に引き出すことにより、インフルエンザによる感染を制圧するわけです。
(2017年2月2日 富山新聞 「谷川醫院」院長、谷川聖明)

インフルエンザに効く漢方2選

では、どの漢方がインフルエンザに効くのか1つずつ紹介します。

【1】 麻黄湯

インフルエンザに効く漢方 麻黄湯

※ドラッグストアで税込1013円(10包3日分)くらい。どの店でもたいてい1種類は置いてある。

インフルエンザの基本の漢方薬は、「麻黄湯」です。

実際に、医学誌にも、「麻黄湯がインフルエンザに効き、しかも安価で子供も飲める」と掲載されています。

伝統的な日本の漢方製剤である麻黄湯はインフルエンザに対して効果的である。それは小児や青年に投与可能であり,オセルタミビルや他のノイラミニダーゼ阻害剤よりもずっと安価である。
(Traditional & Kampo Medicine,Vol.3, No.1, Page.59‐62 (2016.04))

子供でも飲めるほどなので、副作用の心配は少ないです。

弱々しい老人でさえ、インフルエンザのかかりはじめは麻黄湯を使います。
(妊婦や持病のある方、高血圧の人などは医師への相談が必要)

麻黄湯はどんな漢方?

「麻黄湯」は、「葛根湯」と並んで風邪薬として有名で、ほとんどのドラッグストアで手に入ります。

葛根湯よりも頭痛、関節痛、咳などがさらにひどい場合に使う漢方薬です。

一般的に、インフルエンザに効く漢方として真っ先に挙げられるのが「麻黄湯」です。

麻黄湯は、体力のない人は飲めない麻黄という生薬が入っているので、体力のある丈夫な人や新陳代謝の盛んな子供に向く漢方薬です。

でも、通常の風邪では麻黄が飲めないような人でも、インフルエンザで高熱になり関節痛が激しくなると1日くらいは麻黄が飲めるようになります。

たとえば弱々しいお年寄りもかかりはじめの半日か1日麻黄湯を飲みます。

発熱、頭痛、関節痛、悪寒などがある一方、汗は出ないという時が処方目安で、特に節々が痛むときに向きます。

配合されている「麻黄」と「桂皮」という生薬の組み合わせによる発汗作用によって、熱や痛みを発散させます。

風邪やインフルエンザ以外には、

 ・子供の鼻づまり
・リウマチ
・喘息
・肺炎

などに使います。

麻黄湯の副作用や注意点

葛根湯に含まれる「麻黄」という生薬の副作用で、血圧上昇・動悸・不眠・頻脈などが起こることがあるので、心臓病がある人や高齢者は注意が必要。

【2】 葛根湯

インフルエンザに効く漢方 葛根湯

※ドラッグストアで税込950円(12包4日分)くらい。ドラッグストアにはだいたいこの他にも3、4種類くらい葛根湯が置いてあります。

2つ目は葛根湯です。葛根湯といえば、代表的な風邪薬として有名です。

インフルエンザにも葛根湯は良く使われます。

漢方学的には、風邪もインフルエンザも区別して考えません。
(矢数圭堂(2008)『症状別・病気別やっぱり漢方薬が効く』主婦の友社)

上記のように、「風邪でもインフルエンザでも同じ漢方を飲む」と、漢方に関する書籍に書かれています。

ちなみに、先ほど紹介した「麻黄湯」も普通の風邪にも使う漢方薬なので、やはり区別しないんですね。

葛根湯はどんな漢方?

基本的には体力がある人に向く漢方で、風邪の初期の頭痛、発熱、寒気に効きます。

「葛根湯」は発汗を促して熱を下げ、風邪を治してくれます。

発病初期の1~2日に使うのが効果的です。

風邪やインフルエンザ以外には、

 ・鼻風邪
・中耳炎
・扁桃腺炎
・じんましん
・蓄膿症

など、上半身の特に首から上の炎症に使います。「首から上の薬」とも言われています。

また、「葛根湯」は、慢性頭痛や肩こりなど、発熱が無くてもうなじや背中が緊張している時にもよく使います。

葛根湯の副作用や注意点

葛根湯に含まれる「麻黄」という生薬の副作用で、血圧上昇・動悸・不眠・頻脈などが起こることがあるので、心臓病がある人や高齢者は注意が必要。

麻黄湯と葛根湯の使い分け

ではインフルエンザの時、「麻黄湯」と「葛根湯」のどちらを飲めばいいのでしょう?

「葛根湯」は、一番メジャーな風邪薬で、風邪の初期の頭痛・発熱・寒気に効きます。

「麻黄湯」は、葛根湯よりも、頭痛、関節痛、咳などがさらにひどい場合に使います。

つまり、症状がより強い場合は麻黄湯が良いです。

そのため、そもそも症状が強いインフルエンザには麻黄湯がおすすめです。

でも、インフルエンザで辛くてドラッグストアに買いにいけないこともあるでしょう。そんな時に家の常備薬に葛根湯があれば、葛根湯を飲みましょう。

どれくらいで効く?

「漢方薬は自然の材料で出来ているので作用がおだやか」

「だから、長く飲まないと効かない」

「ゆっくり効く」

というイメージがあるようです。

でも、漢方薬は基本的に即効性があります。早いときは数分で、遅くとも数日で効果が出るケースが大半です。

下記のように、インフルエンザの場合はひと晩で解熱すると書籍に書かれています。

インフルエンザで麻黄湯、葛根湯を飲むとたいていの場合ひとばんで解熱する。
(大澤稔(2014)『女性のための自分で選べる漢方の本』PHP研究所)

 

漢方に関する他の書籍にも、「麻黄湯はタミフルと同じくらい即効性がある」と、書かれています。

インフルエンザに対する麻黄湯の効果を調べた最近の研究で、抗ウイルス薬のオセルタミビルと麻黄湯を比べてみたところ、両者の解熱と全身症状の消失までの時間に差はなかったことも報告されています。
(佐藤弘,吉川信,谷口ももよ(2014)『いちばんわかりやすい漢方の基本講座』成美堂出版)

※オセルタミビルとはタミフルのことです。

飲み方

1日何回?

麻黄湯は、3~4時間おきに1包を飲み、

葛根湯は、1日3回飲むことが医師の書籍で推奨されています。

インフルエンザの時の飲み方

麻黄湯:1回につき1包(目安は約2.5g)を、3~4時間おきに飲む
葛根湯:1回につき1包(目安は約2.5g)を1日3回飲む

(大澤稔(2014)『女性のための自分で選べる漢方の本』PHP研究所)

では、実際にドラッグストアで売られているものを見てみると、

インフルエンザに効く漢方 麻黄湯


この麻黄湯は、1包(1.87g)を1日2回服用。

インフルエンザに効く漢方 葛根湯


この葛根湯は、1包(1.5g)を1日3回服用。

と書かれています。

パッケージに書かれている量は、通常の風邪を想定しているので、やや少なめです。

そのため、パッケージに書いてある通りに飲むか、それより少し多めに飲む(高齢者や子供などは気をつけながら)のがいいでしょう。

どのタイミングで?

食前食後どちらでもOKですが、空腹時のほうが薬の効果が吸収されやすいので食事の30分~1時間前がおすすめです。

いつ飲む?

麻黄湯や葛根湯は、普通の風邪には発病初期の1~2日に使うのが効果的です。

インフルエンザの場合もなるべく早く、かかりはじめの1~2日に飲みましょう。

インフルエンザ予防に効く漢方

【1】 補中益気湯

インフルエンザの予防に効く漢方 補中益気湯

「補中益気湯」という漢方薬は、ウイルスをはねのける力(免疫力)を高める働きがあるのでインフルエンザの予防に使われます。

補中益気湯はどんな漢方?

元気を補う漢方薬の代表格で、気力・元気・エネルギーが不足したさまざまな症状に広く使われます。

「補中益気湯」の「中」は胃腸を指し、「益気」には気を増すという意味があり、胃腸の働きを整えて元気を補う効果があります。

胃腸の消化・吸収機能を整えて「気」を生み出し、病気に対する抵抗力・免疫力が高まるのでインフルエンザの予防になります。

かかってしまったインフルエンザの回復に使うこともあります。

風邪やインフルエンザ以外には、

 ・夏バテ
・産後の体力回復
・虚弱体質の改善
・胃腸の衰弱
・手術後の回復
・全身疲労

などエネルギーが不足した症状に広く使います。

補中益気湯の副作用や注意点

特に無し

漢方Q&A

西洋薬と漢方薬は併用していい?

抗インフルエンザウイルス剤と漢方薬は併用OK

病院処方された抗インフルエンザウイルス剤と漢方薬は併用してOKです。

抗インフルエンザウイルス剤は、ウイルスの増殖は強力に抑えますが、ウイルスによって生じた肺の炎症を治す力が無いのが難点です。
そこで、漢方薬の「炎症を強力に鎮める作用」、「免疫力(ウイルスをはねのける力)を高める作用」が大きな助けになります。
(大澤稔(2014)『女性のための自分で選べる漢方の本』PHP研究所)

その他の薬と漢方薬の併用について

病院でインフルエンザと診断されると、喉の痛み止め薬、解熱剤、鼻づまりの薬…など、抗インフルエンザウイルス剤以外にもいくつか薬を処方される場合が多いです。

基本的には、西洋薬と漢方薬は併用して問題ないです。

ただ、気になるとすれば、反対の効果をもつ西洋薬と漢方薬を併用すると、効果を相殺 してしまいます。

例えば、この2つを併用すると、効果が相殺されて飲む意味がありません。

 ・熱を下げる 西洋薬
・体温を上げる 漢方薬

これは、自分で判断するのは難しいので病院で確認するか、抗インフルエンザウイルス剤と漢方薬だけにしましょう。

もし、併用する場合は、少し時間を空けて飲むと安心です。

例えば、食前に漢方薬を飲んで、食後に西洋薬を飲むと良いでしょう。

※インターフェロン製剤を使用中の人は併用してはいけない漢方薬があります。

西洋薬と漢方薬の違い

西洋薬は単一成分

普段、病院で処方される西洋薬は、単一成分で作られているので、1つの不調にしか効きません。

例えば…、

咳止めの薬は、咳以外の不調には効きません。

つまり、症状が10個あれば10個薬が必要です。

成分が単一なので、一つの症状を改善する切れ味が鋭いというメリットがあります。

その一方、多くの薬が必要で体への負担が重いです。

実際に、病院で処方される抗インフルエンザウイルス剤のタミフルやリレンザは、「ウイルスの増殖を抑える役割しかない」ので、熱を下げたり鼻水を止めたりする直接的な効果はないです。

そのため、インフルエンザで病院に行くと、抗インフルエンザウイルス剤の他に、咳止め薬・解熱鎮痛剤・のどの腫れを抑える薬など3、4種類の薬をどっさりもらってくることになります。

漢方薬は複数の成分

一方で漢方薬は、冒頭で説明したように5~20種類 ほどの生薬の組み合わせで作られています。

さらに、個々の生薬にもさまざまな成分が含まれているので、複合的な効果があります。

つまり、インフルエンザで10個の症状があっても、1,2種類ほどの漢方薬で十分に対応できるため、“薬づけ”にならず体の負担が少ないです。

おまけ:医師も風邪の時は漢方を飲む

日刊スポーツ紙にこんな記事が掲載されていました。医師も風邪のときには薬ではなく漢方を飲んでいる人が多いんですね。

風邪が流行する季節になりますね。医師から、風邪っぽいと思った時にする対処法を教えてもらいました。

■1位 十分な睡眠・休息をとる

■2位 うがいをする

■3位 漢方の服用(葛根湯・香蘇散など)

・やや熱めのお湯で、葛根湯2包を内服します。それで足りなければ、1時間後くらいにさらに内服します。たいがい、それでスッキリします(産婦人科、50代男性)

・すぐに常備している葛根湯を飲みます。休むとか寝るとか、仕事の都合上あまりできないです(脳神経外科、30代男性)

(日刊スポーツ 2016年10月22日)

まとめ

インフルエンザに効く漢方は?

麻黄湯と葛根湯
(どちらかといえば麻黄湯がおすすめ)

どれくらいで効く?

麻黄湯も葛根湯もたいていの場合ひとばんで解熱。

タミフルと麻黄湯を比べても、両者の解熱と全身症状の消失までの時間に差はなかったことも報告されています。

どのタイミングで飲む?

麻黄湯も葛根湯もかかりはじめできるだけ早く。できればかかりはじめ1日目。

パッケージに書いてある通りの量か少し多め。できれば空腹時に飲む。

どこで買える?

麻黄湯も葛根湯もドラッグストアで買える

なんで効く?

葛根湯や麻黄湯に下記のような作用があるため

  1. 咳を止める
  2. 痛みを鎮める
  3. 発汗を促し熱を下げる
  4. 免疫力(インフルエンザウィルスをはねのける力)を高める
  5. インフルエンザウイルスによって生じた肺の炎症を鎮める

副作用は?

麻黄湯も葛根湯も、「麻黄」という生薬の副作用で、血圧上昇・動悸・不眠・頻脈などが起こることがあるので、心臓病がある人や高齢者は注意が必要です。

ただ、通常の風邪では麻黄が飲めないような人でも、インフルエンザで高熱になり関節痛が激しくなると1日くらいは麻黄が飲めるようになります。たとえば弱々しいお年寄りもかかりはじめの半日か1日麻黄湯を飲みます。

インフルエンザの予防なら…

補中益気湯
(免疫力を高めてインフルエンザを予防)

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