オサハシブトガラスは、ハシブトガラスの亜種で、沖縄の西表島やその周辺の島だけに生息しています。

本州のカラスに比べてかなり小さいのが特徴です。カラスに興味の無い人でも「あれ?あのカラス小さくない?」と気付きます。

オサハシブトガラスの先祖は、氷河期に台湾からやってきたと考えられています。

研究によると、西表島や波照間島(はてるまじま)など生息する島によって、オサハシブトガラスの大きさや行動に違いがあることが分かってきました。

森林の多い島や、牧草地の多い島など、島によって異なる環境が進化に影響を与えているようです。

オサハシブトガラスの生態や目撃画像などを紹介します。

オサハシブトガラスとは?

オサハシブトガラス

オサハシブトガラス

写真ではわからないけど本州のハシブトガラスより圧倒的に小さくて声も可愛い!

オサハシブトガラス

由布島にいた亜種オサハシブトガラスです。 本土に比べて小柄でほっそりしてました。 さすが南の島の子ですね。 おっとりしてます。

オサハシブトガラス

西表島のカラスは木の実や昆虫を食べています。大切な生態系の仲間です

オサハシブトガラスは、本州で良く見かけるハシブトガラスの亜種です。

世界中で、琉球列島の南西端に位置する八重山諸島にしか生息しない地域固有の鳥です。

ちなみに、『オサ』は、20世紀初頭に琉球列島の島の標本を採集した長聖道(おさまさみち)さんに由来している。

オサハシブトガラスは、旅行などで初めて目にした人にとっては、「異常に小さいカラスがいる!」と驚く小ささです。

「ハシブト」とはくちばしが細いことを意味するが、オサハシブトガラスのくちばしは全く太くなく、声もか細いです。

オサハシブトガラスを観察する良い方法は、レンタルサイクルや、レンタルバイクの前カゴに荷物を入れたまま、その場を離れることです。すると、すぐにカゴの中身のチェックに訪れることでしょう。

地元の八重山諸島では、牛小屋を荒らしたり、畑のパイナップルをかじるなど厄介者扱いです。

しかし、サトウキビ畑の多い波照間島では、畑の害虫を食べてくれるので彼らは益鳥として扱われています。

また、通常ハシブトガラスは、地上にいる時間はごくわずかで、木の上や電柱の上にいるのですが、オサハシブトガラスは、競合する種の少ない島に住んでいるため、開けた場所の地面も普通にのこのこ歩いています。(本州のハシボソガラスのようなふるまいもするということです。)

ぜひ沖縄に行かれた際は観察して見てください。

文中に出てきたハシブトガラス、ハシボソガラスなどのカラスの種類については、別記事の「よく見かけるカラスの種類は?分かりやすい見分け方」で詳しく紹介しているのでご覧ください。