過敏性腸症候群は、ストレスや精神的なものが原因で自律神経のバランスが乱れることで起こります。

ガスがたまってお腹が苦しかったり、オナラが良く出てしまったり、いきなり強い便意がおそってきたり、便秘と下痢を繰り返したり、強烈な腹痛が起きたり・・・・

といった、辛い症状で悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

根本の原因が自律神経の乱れなので、リラックス効果も高いハーブティーで改善できたらいいですよね。

ここでは、過敏性腸症候群に効果のあるハーブティーを7個紹介します。

ハーブティーは日常的に気軽に飲めるので気になるものがあればぜひ試してください。

目次

過敏性腸症候群とは?

過敏性腸症候群は、病気と言っても、腸に炎症や潰瘍などの異常があるわけではありません。検査しても異常は何も無いのに、下痢や便秘、腹痛、ガスの症状が毎日起こります。

その原因は、食事や季節の変化などもありますが、主にストレスによる自律神経のバランスの乱れと考えられています。

どういうことか見ていきましょう。

まず、自律神経とは、日中に活発になる緊張・興奮の「交感神経」と、夜に活発になるリラックスの「副交感神経」の2つがあり、昼は交感神経、夜は副交感神経といったように交代でバランスを取っています。

過敏性腸症候群の原因である自律神経の副交感神経と交感神経のバランス

しかし、ストレスによって脳への過度の緊張信号が続くと、脳の視床下部の働きに狂いが生じて自律神経が正常に働かなくなります。

本来、腸は副交感神経によって活発に働きます。つまり、腸は夜に活発に働くのが正解です。

しかし、自律神経が正常に働かなくなると、本来は交感神経が活発に働く仕事中や学校の時間に、副交感神経が優位になってしまいます。

副交感神経が優位になると日中でも腸が活動してガスを発生したり、強い便意が起きたり下痢をしてしまいます。

ハーブティーは過敏性腸症候群に効く?

では、ハーブティーで過敏性腸症候群を改善できるのでしょうか?

ハーブにも薬効がある!

普段はなんとなく飲んでいるかもしれませんが、ハーブには漢方の生薬などと同じように、薬効のある成分が含まれています。

例えば、ハーブエキスが配合されたサプリメントは、「薬に準じたものと考えて漫然と続けず、よくなったら飲むのをやめる」と推奨されているほどです。

ハーブも薬ほどではありませんが薬効があるんですね。

過敏性腸症候群へのハーブティーの効果

先ほど説明したように、過敏性腸症候群はストレスなどの精神的なものが原因で自律神経のバランスが乱れて起こります。

その為、「神経のバランスを整える」ことや「根本原因のストレスをやわらげる」ことが必要ですね。また、実際の症状であるガス、下痢、便秘、腹痛も改善したいですね。

これから紹介するハーブティーは、そんな効果があります♪

具体的には以下のような効果があり、過敏性腸症候群の改善が期待できます。

  1. 過敏な神経をしずめる
  2. 神経の緊張を解く
  3. 交感神経の調子を整える
  4. 抗うつ作用、リラックス効果
  5. 腸のぜん動運動を調整
  6. 腸の働きを正常に保つ
  7. 腸にたまったガスを排出

飲むことでリラックス効果も

また、ハーブティーをゆっくり楽しむ時間を持つというライフスタイルそのものも、リラックス効果があります。

飲めばすぐに体がぽかぽかと温まり、香りでリラックスでき、不調を和らげてくれます。

それでは、どのハーブティーがこれらの効果があるのか紹介していきます。

過敏性腸症候群に効くハーブティー一覧

具体的には以下の14種類のハーブティーが過敏性腸症候群に効果があるハーブティーです。(順番は関係ありません)

  1. カモミール
  2. ホップ
  3. ワイルドヤム
  4. ペパーミント
  5. レモンバーム
  6. コリアンダー
  7. アニスシード
  8. フェンネル
  9. ラベンダー
  10. キャラウェイ
  11. パッションフラワー
  12. バレリアン
  13. オレンジピール
  14. ローズ

この中から特に過敏性腸症候群に効果が高いハーブティーを7つ厳選して紹介していきます。

過敏性腸症候群に効くハーブティー厳選7個

過敏性腸症候群の全般に効果的なもの

カモミールティーはとても美味しく飲みやすいのに、いろいろな効果があるので、過敏性腸症候群だけでなく多くの不調に広く使われています。どれを飲むか迷ったらカモミールにしておくのが無難かもしれません。カモミールはブレンドに適しているので、ここで紹介した他のハーブティーとブレンドして飲んでも美味しいです。

このなかで神経を落ち着かせる鎮静作用はパッションフラワーが一番強いです。不眠への効果も強いです。ストレスがあり、それが過敏性腸症候群の原因になっていると感じる人や、不眠の人におすすめ。(味は微妙ですが。不味くも美味しくもない)

オレンジピールやローズレッドも効果はありつつも見た目でも楽しめるので女性におすすめです。

過敏性腸症候群のガス型に効果のあるもの

この3つは腸内にたまったガスを排出する効果があります。日中にガスがでるのが心配なら夜飲みましょう。

特にガス抜きの効果が高いのはフェンネルです。

ペパーミントはガス排出効果の他に、リラックス効果もあります。

コリアンダーははガス排出効果の他に、消化促進作用が強く胃もたれなどにも効果的。

「パッカ ミントリフレッシュ」というハーブティーには、フェンネル、ペパーミント、コリアンダーの3つが全て入っているのでおすすめです。

過敏性腸症候群 ガス型 ハーブティー パッカ リフレッシュ

パッカ ミントリフレッシュ 20ティーバッグ 918円


 

別記事の「過敏性腸症候群のガス型に効く漢方薬3選」では、ガス型に効く漢方薬も紹介しているので興味のある方は見てください。

 

それでは、それぞれのハーブティーの効果を詳しく紹介していきます。

1.カモミール

過敏性腸症候群に効くハーブティー カモミール

ポンパドール カモミール 20P 508円
(このティーバッグは、しっかりした香りと濃い味で、世界中で安定した人気がある。)


カモミールティーは一番定番で人気のある有名なハーブティーで、スーパーなどでも手に入りやすいです。

甘いリンゴのような香りが美味しく、口あたりがよくやさしい味です。

特に鎮静作用(心身のたかぶりを沈める作用)強く、リラックス効果が高いことが有名なハーブティーです。そのため、過敏性腸症候群の原因であるストレス・不安などの気分を落ち着かせ、リラックスして緊張をやわらげてくれます。

その他にもカモミールティーは以下のような幅広い薬効があり、過敏性腸症候群の改善が期待できます。過敏性腸症候群の下痢型、便秘型、ガス型のすべてに使えます。

  • ・腸のぜんどう運動を調節して下痢や便秘を防ぐ 
  • ・体を温める効果により、冷えによる下痢を改善
  • ・痛みを和らげる効果により、腹痛を改善
  • ・全身の平滑筋をリラックスさせて、お腹にたまったガスを緩和
  • ・消炎作用により、胃や腸のトラブルを解消

このように、過敏性腸症候群をはじめ、消化不良、胃炎、胃かいようなどのストレスによって悪化するタイプの症状にはとても有効なハーブティーです。

飲み方

小さじ一杯を5分蒸らす。

2.パッションフラワー

過敏性腸症候群に効くハーブティー パッションフラワー

生活の木 有機パッションフラワー 100g(約50杯分)1288円
(生活の木以外にも複数商品が出回っているのでお好みで。)


神経の緊張を解き、リラックスさせる鎮静効果が有名なハーブティーで、数世紀に渡って神経緊張の治療に使われてきました。「天然の鎮静剤」「天然の植物性精神安定剤」などと呼ばれるほど効果が高いので、ストレス・緊張が原因の過敏性腸症候群に効果が期待できます。

また、神経系の血液循環を促し、交感神経の調子を整える働きもあります。これは、このページの冒頭で説明した過敏性腸症候群の原因である副交感神経優位の状態を改善する効果が期待できます。

緊張してドキドキする動悸を抑える効果もあります。極度の緊張によって筋肉のこわばりがあるような重症のときにも使えます。

このように向精神性ハーブとして様々な効果がありますが、そのなかでも特に不眠に有効で、寝つきが悪く不眠ぎみなことも過敏性腸症候群の原因になっているかも、と感じている人にもおすすめです。心配事があり眠いのになかなか寝付けないという時にいいでしょう。

さらに神経を鎮め、痛みを和らげる効果もあるので、腹痛にも効果が期待できます。

このように鎮静作用が強いので、イライラ、不安、ストレス性疾患などすべての神経性疾患に使用できますし、副作用もありません。子供や高齢者なども安心して飲めるティーです。

パッションフラワーという名前は甘くておいしそうなハーブティーを連想させますが、実際はちょっと草っぽい味で美味しくも不味くもないといった感じです。

飲み方

小さじ一杯を7分蒸らす。安眠を期待するなら寝る1時間前に飲む。

3.オレンジピール

過敏性腸症候群 ハーブティー オレンジピール

リプトン オレンジハーブ 50包 1434円
(オレンジピール、ハイビスカス、ローズヒップがブレンドされたティーバッグです。50包入っているので毎日気軽に飲めます。)


オレンジピールは、干したオレンジの皮のことで、ビターオレンジかスイートオレンジのどちらかを使います。ビターオレンジのほうが薬効にすぐれています。

洋菓子などに使うオレンジピールとの違いは糖分を加えていないことです。オレンジの香りと甘みのなかにかすかな苦味があってさわやかなハーブティーです。

腸の働きを正常に保つ作用があり、便秘や軽い下痢に効果的です。ストレスでお腹をこわす過敏性腸症候群の症状緩和にも良いです。

また、柑橘系特有のさわやかな香りには、心を元気にする働き(抗うつ作用)があり、心身が疲れて落ち込んでいるときに飲むと良いでしょう。

抗うつ作用だけでなく神経を鎮静させる作用があり、寝れない夜に飲むと体も温まりぐっすり眠れます。

オレンジピールの胃腸の調子を整える作用は古くから活用されていて、中国では干したみかんの皮を陳皮と呼び、胃もたれや消化促進に効く漢方薬に配合されています。また、ビターオレンジの花を水蒸気蒸留法で抽出したエッセンシャルオイルはネロリと呼ばれ、強い鎮静効果があり、下痢などに良いとされています。

無農薬でワックスの付いていないオレンジがあれば、皮を洗って切って干して手作りしてもいいです。

飲み方

大さじ2を砕いて7分蒸らす。他のハーブともブレンドしやすい味。

緊張・不安・不眠への効果を期待してバスタブに入れて入浴する方法も◎。

4.ローズ

過敏性腸症候群に効くハーブティー ローズレッド

生活の木 ローズレッド 100g(約50杯分) 1200円
(他のメーカーのものでもお好みで。)


ローズレッドティーに使うローズは、原種に近いオールドローズという品種で、園芸用のモダンローズは適しません。ローズレッドティーは花びらを使いますが、花ではなく実の部分を使ったお茶はローズヒップティーです。

赤い花びらを使うのでローズレッドティーと呼ばれていますが、ピンクの花びらでも紫の花びらでも味や効能にあまり大きな違いはありません。

お茶を入れると、上品で優雅な香りがただよいます。あっさりとクセのない味でさっぱりしています。

神経に働きかける作用が強く、過敏な神経をやさしく鎮めてくれます。そのため、不安があるときや気分転換したいときに飲むとリラックスでき、神経性の腹痛や下痢(過敏性腸症候群)を抑える効果があります。

また、ホルモン分泌の調整をする作用や女性の生殖器の充血を軽減する働きもあり、更年期障害や生理不順、生理痛、不妊にも効果的です。

ローズレッドティーをお風呂に入れるのもおすすめです。美肌効果があり、花びらが水面に浮かび、上品な香りをかぎながらリラックスして入浴できます。「若返りの薬」としてクレオパトラもお風呂をローズの花で満たしていたと言われています。

ローズレッドティーの茶葉(花びら)は早めに使い切りましょう。とくにピンクの花びらは色が変わりやすいので直射日光や湿度に注意しましょう。

飲み方

小さじ一杯を5分蒸らす

5.フェンネル

過敏性腸症候群に効くハーブティー フェンネル

パッカ リラックスハーブティー20P 918円
(フェンネルを中心に、先ほど紹介したカモミールもブレンドされていてオススメ。同シリーズの「パッカ リフレッシュ」には、フェンネル、ミント、コリアンダーがブレンドされているので、そちらもおすすめです。)


フェンネルティーは甘みがありスパイシーな香りがします。スパイスとして魚料理に使うこともよくあります。

ガスが溜まってお腹が張ったような時や、ガスが溜まってお腹が痛いときも、フェンネルの駆風作用(腸にたまったガスを排出する働き)によって、腸内にたまったガスを排出させます。

そのため、過敏性腸症候群の特にガス型の人におすすめです。

ガス抜きに効果が高いですが、日中にガスが出るのが心配なら、夕食~夜寝る前に飲むと寝ている間にガスが出て朝すっきりします。

ストレスによる腹痛に効果があるので、差し込むような痛みがあるときにも良いでしょう。

また、消化促進作用もあり、食べすぎなどで胃もたれしたときにも食後に飲むと効きます。

ハーブティーだけでなく、フェンネルの精油も消化器系の不調に使われます。

フェンネルティーは、お湯を入れて飲むまで少し長めに時間を取り(3~5分くらい)、フェンネルがやわらかくなったらスプーンの背で押しつぶしてから飲むとより効果が得られます。

飲み方

小さじ一杯を5分蒸らし、押しつぶしてから飲む。もしくは先につぶしてからお湯をいれて5分蒸らす。

6.ペパーミント

過敏性腸症候群に効くハーブティー ペパーミント

ポンパドール ペパーミントティー10ティーバッグ20杯分 324円
(ミントティーといったらコレ!定番で安いです。香りもしっかり。)


ペパーミントティーは、スーッとするメントールの清涼感、爽快感のあるさわやかな香りのハーブティーで、気持ちのリフレッシュ効果が高いです。

痙攣を抑えたり、胃壁を刺激して、腸にたまったガスを排出する作用があり、過敏性腸症候群のガス症状におすすめ。

急性の腹痛や胃痛を緩和する効果もあります。

また、鎮静作用といって心身をリラックスさせる効果にも優れていて、イライラしたときや不安な時に飲むと、心を沈めてリフレッシュさせてくれます。ヒステリーや神経症にも使われます。

さらに、ペパーミントの清涼感は中枢神経を刺激して脳の働きを活発にして眠気を覚ましたりする効果があります。これは、このページの冒頭で説明した過敏性腸症候群の原因である副交感神経優位の状態を改善できるのではないでしょうか。

飲み方

小さじ2杯を5分蒸らす。

7.コリアンダー

過敏性腸症候群に効くハーブティー コリアンダー

コリアンダーティーは甘くスパイシーでエキゾチックでさわやかな味がします。

コリアンダーの葉は「パクチー」と呼ばれ、クセのある独特の香りがありますが、ハーブティーに使う種子はあまりクセがなく飲みやすいです。

コリアンダーの種子には、消化を促し腸に溜まったガスを排出する効果があります。そのため、お腹が張って痛みがあるときに飲むと良いです。

また、穏やかな鎮静作用(心身のたかぶった状態をしずめる作用)もあり、頭痛や痛みなどを和らげる働きも期待できます。

消化を助ける働きも有名で、胃もたれ防止のために食後に飲んだりします。

ハーブティーとしてだけでなく、ドライハーブをスパイスとして料理に使うことも多いです。

飲み方

粗くつぶして香りをたててから煮出し5分、蒸らし5分

まとめ

過敏性腸症候群のガス型に効果のあるもの

  • ・ペパーミント
  • ・フェンネル
  • ・コリアンダー

この3つは腸内にたまったガスを排出する効果があります。日中にガスがでるのが心配なら夜飲みましょう。

特にガス抜きの効果が高いのはフェンネルです。

ペパーミントはリラックス効果もあります。

コリアンダーは消化促進作用が強く胃もたれなどにも効果的。

パッカ リフレッシュ」というハーブティーには、この3つが全て入っているのでおすすめです。3つ全部入っているハーブティーはこれしかないと思います。

過敏性腸症候群のガス型に効く漢方薬3選」では、ガス型に効く漢方薬も紹介しているので興味のある方は見てください。

過敏性腸症候群の全般に効果的なもの

  • ・カモミール
    (腸の働きの正常化、リラックス効果、鎮痛、ガス排出)
  • オレンジピール
    (腸の働きの正常化、抗うつ作用)
  • ローズレッド
    (リラックス効果)
  • パッションフラワー
    (リラックス効果、交感神経の調子を整える)

カモミールティーはとても美味しく飲みやすいのに、いろいろな効果があるので、過敏性腸症候群だけでなく多くの不調に広く使われています。どれを飲むか迷ったらカモミールにしておくのが無難かもしれません。カモミールはブレンドに適しているので、ここで紹介した他のハーブティーとブレンドして飲んでも美味しいです。

このなかで神経を落ち着かせる鎮静作用はパッションフラワーが一番強いです。不眠への効果も強いです。ストレスがあり、それが過敏性腸症候群の原因になっていると感じる人や、不眠の人におすすめ。(味は微妙ですが。不味くも美味しくもない)

オレンジピールやローズレッドも効果はありつつも見た目でも楽しめるので女性におすすめです。

ハーブティーを売っている店が分からないという人は、「人気のハーブティー専門店6店」で、ハーブを専門に扱うお店を紹介しているので参考にしてください。