目次

日常で見かけるカラスは2種類

日本で見られるカラスは全部で5種類います。

その中でも、日常よく見かけるのは、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種類です

私たちは普段、この2種類を区別せずにまとめて『カラス』と呼んでいるのです。

カラスの種類 ハシブトガラス ハシボソガラス

どちらも全国で見られます。

ハシブトガラスとハシボソガラスの見分け

ハシブトとハシボソの見分け方は簡単です。この2種類の大きな違い・特徴を6つ紹介します。

特徴1 くちばし

一番の大きな違いはくちばしです。「ハシ」とはくちばしのことで、くちばしが太いのがハシブトガラス、細いのがハシボソガラスです!

ハシブトガラス

カラスの種類 ハシブトガラス くちばし

ハシブトガラスはくちばしが太いのが特徴です。

くちばしの上がアーチ状にカーブが付いているのも特徴です。

ハシボソガラスよりも恐ろしさを感じさせるくちばしです。

かみ切る力はあまり強くないですが、ものをくわえる力は強いです。

つつく力も強く、アルミ製の缶なら穴を開けるくらいの力があります。

ハシボソガラス

カラス 種類 ハシボソガラス くちばし細い

ハシボソガラスはくちばしが細く、ハシブトガラスよりはカーブがゆるやかで真っ直ぐです。

小ぶりのくちばしであまり恐怖感を感じません。

特徴2 おでこ

ハシブトガラス

カラスの種類 ハシブトガラス おでこ

ハシブトガラスは、おでこがポコッと出っ張っています。

ハシボソガラス

カラス 種類 ハシボソガラス おでこ

ハシボソガラスは、おでこは平らに近いです。

特徴3 いる場所

ハシブトガラス

カラス 種類 ハシブトガラス 街中

ハシブトガラスは、木や家などがある立体的な環境にいることが多いです。

見通しの悪い場所を好むので、東京都心にいるカラスのほとんどはハシブトガラスです。

また、木が多い山や森なども見通しが悪いので、ハシブトガラスが多いです。

ほとんどの時間は木の上や電柱の上にいて、地上を長時間歩くことはありません。

ハシボソガラス

カラス 種類 ハシボソガラス 田んぼ 畑

一方、ハシボソガラスは広い畑などの平面的な環境にいることが多いです。

見通しの良い場所を好むので、木が多い山や森にはあまりいません。

田舎の畑や河川敷、公園などの見通しの良い場所では、ハシボソガラスをよく見かけます。

田んぼでお尻をフリフリのこのこ歩くカラスは、たいがいがハシボソガラスです。

畑と繁華街が近くにあるような地方都市では、ハシブトガラスとハシボソガラスの両方を見かけます。

特徴4 歩き方

ハシブトガラス

ハシブトガラスは、ぴょんぴょんとはねるように歩くことが多い。

ハシボソガラス

ハシボソガラスは、二足で交互に歩くことが多い。

特徴5 鳴き方

ハシブトガラスのほうが鳴き声が大きいです。それに比べてハシボソガラスはあまり声を出しません。

ハシブトガラス

ハシブトガラスは、体を水平にして頭を前に出して、姿勢を保ったまま大きな声で「カア、カア」と鳴きます。

また、ペアになった相手と居場所を確認しあうために「カーー」「アーー」と伸ばすような鳴き声をすることもあります。この時、翼は上に上げてパタパタ振ります。

ハシボソガラス

ハシボソガラスは、胸をふくらませて、うつむいた状態から頭を起こして、「ガー、ゴアー」や「ガラララ」と頭を前後に激しく揺すりながらしわがれた声で鳴きます。

「カラン」「ボワッ」など高い声も発します。

特徴6 エサの取り方

ハシブトガラス

ハシブトガラスは、高い所にいる時間が長く、地上にいる時間は短いです。

上から周りを見て、エサを見つけ、すばやく降りて来てエサを取ります。エサをくわえると素早く木の上に戻ります。

木の上や電柱の上から人の行動を見て、弁当やパンを捨てたり、食べかすを落としているのをチェックしています。

ハシボソガラス

一方、ハシボソガラスは、地上にいる時間が長く、歩いてエサを探します。

トラクターで耕したあとや、牛の歩く後をのこのこ歩いてついていって、虫などを探します。

くちばしを石の下に入れて石をひっくり返して探すという行動も取ります。

その他の特徴

エサの好みや食べ方

ハシブトガラスの方がくちばしを使うのが上手く、ひきちぎったりつついてエサを食べます。弁当箱をつついて壊して中のエサを食べたりもします。ハシボソガラスに比べて肉食傾向が強いです。

ハシボソガラスは、虫や木の実や畑の種が好物です。クルミや貝のような硬い殻があるエサを空中から落として割って食べるという行動もします。

巣の場所

ハシブトガラスは、外から巣が見えるのを嫌います。そのため、季節によって葉が落ちてしまう木にはあまり巣を作りません。(イチョウは秋に葉を落としますが、春に葉をつけたあとに巣をつくることがあります。)

一方、ハシボソガラスは、外から巣が見えても平気です。外国では、地上に巣を作ったこともあります。

産卵時期

ハシブトガラスは3月の半ば頃~、ハシボソガラスは2月の終わり頃~はじまります。

ヒナへのエサのあげ方

ハシブトガラスは巣の場所を知られることを嫌うので、オスがエサを運んで来ても巣には入りません。離れた場所に止まって、小さく鳴いてメスを呼び出します。さらにメスはエサを受け取ると、まっすぐ巣に向かわずに遠回りして巣に戻ります。

一方、ハシボソガラスは、オスが巣に堂々と入り、メスの口に直接エサを与えます。

被害対策は同じ

ハシブトガラスもハシボソガラスも全国で見られ、被害の出し方もほとんど同じです。

被害対策も両種とも同じです。

また、この2種以外にも、冬だけ日本にやってくる渡り鳥のカラスが3種類います(次の項で紹介しています)が、被害はあまり報告されていません。

日本にいるカラス全5種類

日本で見られるカラスは、先ほど説明したハシブトガラス、ハシボソガラスを含めて全部で5種類です。

ハシブト、ハシボソ以外の3種類はすべて渡り鳥で冬だけ日本に来ます。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ハシブトガラス

カラスの種類 ハシブトガラス くちばし

くちばしが太くアーチ状で、 おでこが出っ張っている。

都心部や森林などの立体的で見通しの悪い場所にいます。東京都心でゴミをあさっているのはほとんどハシブトガラス。

鳴き声が大きく、木の上や電柱など高い所に止まっている時間が長い。

また、沖縄にしか生息しない「オサハシブトガラス」というハシブトガラスの仲間もいます。体が小さいのが特徴です。

関連記事:沖縄にしか生息しないオサハシブトガラスとは?

ハシボソガラス

カラスの種類 ハシボソガラス くちばし

くちばしが細くまっすぐで、 おでこが平らに近いのが特徴。

ハシブトより体が少し小さいです。 畑や河川敷などの平面的で見通しの良い場所にいることが多いです。

ミヤマガラス

カラスの種類 ミヤマガラス

東京をのぞくほぼ全国で確認されるようになりました。

くちばしの根元が白っぽく見えるのが特徴。ハシボソガラスよりも体が小さめです。

農耕地で大きな群れを見かけたらミヤマガラスの可能性があります。ミヤマガラスの群れにはコクマルガラスが良く混じります。

コクマルガラス

カラスの種類 コクマルガラス

九州や関東平野では渡来数が多く、数百羽の群れが見られます。ミヤマガラスの群れに混じっていることも多い。

国内で越冬するのは普通のカラスのように全身黒のコクマルガラスが多いが、数十羽に1羽ほどの割合で、首から胸、腹にかけて白いコクマルガラスが見られます。

どちらも体が丸っこいのが特徴。

「キュッ」「キュン」とかわいらしい声で鳴くのも特徴的。この5種の中で一番体が小さい。

ワタリガラス

カラスの種類 ワタリガラス

北海道でしか見かけることがありません。ごくまれに秋田県や新潟県でも観察例があります。

「カッポン、カッポン」「ギャアギャア」「ゴアッ」「アオアオ」などいろいろな変わった鳴き声をします。

日本で見られるカラス類では最大の大きさです。

大きさ比較

日本にいるカラス5種を体の大きい順に並べると以下の順になります。

  1. ワタリガラス…全長60cm
  2. ハシブトガラス…全長55cm
  3. ハシボソガラス…全長50cm
  4. ミヤマガラス…全長47cm
  5. コクマルガラス…全長33cm

日本にいるカラスの仲間全5種類

カラスの種類 日本で見られるカラス科の分類

カラスを動物分類学的に分類すると、「カラス科カラス属」となります。

この「カラス科カラス属」が、わたしたちが「カラス」と呼んでいるものです。(前項で紹介した5種類のこと)

カラス科にはカラス属以外にも、カケス属・オナガ属・カササギ属・ホシガラス属があり、これらは「カラスの仲間」です。世界には70種類ほどいますが、日本ではそのうち5種類を見ることが出来ます。

それぞれ写真で紹介します。

カケス

カラスの種類 カケス

日本で良く見かける鳥です。羽の根元側に青い縞模様が入るのが特徴のキレイな鳥です。平地から山地のさまざまな林に生息しています。「ジャージャー」としわがれた声で鳴きます。独特のリズムでふわふわと羽ばたく。

ルリカケス

カラスの種類 ルリカケス

世界中でも、奄美大島、加計呂麻島、請島だけに生息する鳥です。赤茶色と青紫色で、一見すると派手な鳥ですが、暗い森の中では案外目立ちません。

オナガ

カラスの種類 オナガ

名前の通り尾が長く、尾の先端が白いです。特有の水色がキレイです。本州中部~北部にかけて生息しますが、やや局地的に分布しています。分布は限定されますが、生息域内では、人家周辺など身近な場所で出会えます。人をあまり恐れず観察しやすい。「キューイキューイ」と鳴きます。

カササギ

カラスの種類 カササギ

農耕地などに生息し、木や電柱の高い所にかなり大きな巣を作ります。「カシャカシャ」としわがれた声で鳴きます。

ホシガラス

カラスの種類 ホシガラス

北海道~九州の亜高山帯の針葉樹林に生息する全身が白黒のまだら模様の鳥です。夏後半~秋には好物のハイマツの実を求めて高山帯に多く出現するので、登山者にはおなじみの鳥です。

見れたらラッキー!超レアなカラス

ごくまれに「迷鳥」と言って、渡り鳥がコースをはずれてしまい、本来は渡来しない地域にあらわれることがあります。

日本には本来生息しないけど、日本での目撃例が何件かあるカラスの「迷鳥」は2種類います。

ニシコクマルガラス

カラスの種類 ニシコクマルガラス

ヨーロッパ~ユーラシア中央部に生息

イエガラス

カラスの種類 イエガラス

中国南端~パキスタン、アフリカの一部に生息

まとめ

私たちが良く見るカラスは、

  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス

の2種類。

ハシブトガラス

  • ・くちばしが太くアーチ状
  • ・おでこが出っ張っている
  • ・都心部や森林などの立体的で見通しの悪い場所にいる(東京都心にいるのはほとんどハシブトガラス)
  • ・鳴き声が大きい。鳴くときは姿勢を保ったまま鳴く
  • ・木の上や電柱など高い所に止まっている時間が長い

ハシボソガラス

  • ・くちばしが細くまっすぐ
  • ・おでこが平らに近い
  • ・ハシブトより体が少し小さい
  • ・鳴くときは、体を前後に激しく揺する
  • ・畑や河川敷などの平面的で見通しの良い場所にいる
  • ・地上を歩いている時間が長い

ハシブトガラスの方が、ハシボソガラスより凄みがあります。(体も大きく鳴き声も大きい。くちばしも大きく、怖い感じがします)

カラスよけ対策は2つとも同じです。